第155章 誰が彼に離婚させたんだ、まだ君のことが忘れられないのに

病院を出た瞬間、長谷川栞はようやく気づいた。空はもう、すっかり夜に沈んでいる。

――こんな時間だったの?

それでも、彼は真っ先に駆けつけた。

……そんなに、子どものことが大事なの?

薬袋を握る指先に力が入り、関節が白くなる。

夜風がひゅう、と頬を撫でた。胸のどこかに穴が開いたみたいで、そこから冷たい空気が抜けていく。がらん、と空っぽになる。

十年、寄り添ってきたはずなのに。

結局、血のつながりには敵わない。

――身のほど知らずだったのは、私。

長谷川栞は乱暴に目尻を拭う。

……高橋先生のところへ行かなきゃ。

翌朝。

彼女は早々に休みを取り、車を走らせて高橋由紀のカウン...

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